収入保障保険とは〜収入保障保険の基礎知識〜

近年、収入保障保険が人気な理由とは

お父さんと子供

近年登場した保険で、年々人気が出てきている保険があります。
それが「収入保障保険」です。

 

実際に、私も収入保障保険は非常に良い保険であると感じています。
収入保障保険は、実に理に適った保険です。
保険期間内に総保障額(受取り保険金額)が減少していくのがその理由です。

 

子育て世帯に必要な死亡保障額は、子供の成長とともに毎年減少していきます。

 

通常、定期(死亡)保険であれば、保障額は一度決めたら減ることはありません。
しかし、収入保障保険は、加入した年が保障額のピークで、後は年々保障額が減少していきます。
必要な世帯保障額にあわせて、保険期間内の総保障額が逓減していくことになります。
その減少していく保障の形が、子育て世帯の必要保障額の形とピッタリ合っているのです。

 

ただ、この辺は文字で書いても伝わりづらいところです。
それが、収入保障保険を分かりづらいものとしている要因です。
以下では、図入りで説明をしていきます。

 

図入りで分かる!収入保障保険の仕組み

収入保障保険の保険金支給のされ方

収入保障保険は、被保険者(加入者)に万が一のことがあると、保険金が支払われる保険です。
この支払われ方に、収入保障保険の大きな特徴があります。

 

通常の死亡保険では、被保険者に万一のことがあった際に一括で保険金が支払われます。
仮に、死亡保険金3,000万円の保険に加入していたら、3,000万円が一括で支払われます。

 

しかし、収入保障保険はそうではありません。
収入保障保険の保険金は、給料や年金のように一定の額が毎月支払われる方式です。
そして、それが保険の保険期間内ずっと続くこととなります。

 

以下のようなイメージです。
死亡保障額の推移

 

毎月、決まった額が保険期間が終わるまで支払われます。
そのため、一括で支払われるよりも生活費として安定的に使うことができます。

 

収入保障保険の保険期間

収入保障保険は、保険期間が決まった、いわゆる「定期保険」の一種です。
つまり、加入時に保険期間を60歳までとした場合、60歳になれば保障が終了します。

 

そのため、保障が必要な期間をカバーできるように保険期間を設定します。
多くの場合、「子どもが社会人になるまで」を保険期間とすることが多いようです。

 

総保障額の逓減

以上の2つを合わせて考えると、最初に説明した
「収入保障保険は保障額が年々減少していく」
ということが見えてきます。

 

では、具体例で見てみます。
仮に、30歳男性が、60歳までを保険期間とする収入保障保険に加入したとします。
一か月の保障額を10万円にしたとすると、各年齢での総保障額は単純計算で以下のようになります。

  • 30歳時点 : 3,600万円 (10万円×12カ月×30年)
  • 40歳時点 : 2,400万円 (10万円×12カ月×20年)
  • 50歳時点 : 1,200万円 (10万円×12カ月×10年)
  • 55歳時点 :  600万円 (10万円×12カ月×5年)

 

これを図で表すと以下のようになります。

≪収入保障保険の総保障額の推移≫

 

収入保障保険の総保障額の推移

 

以上のように、収入保障保険では総保障額が減少していきます。
そのため、保険期間全体で見た際に、保険期間後半では保障額が少なくなっています。

 

定期保険と収入保障保険の保障の形を比べてみると

定期保険と比べてみると、保障が減少しているのが一目瞭然です。

定期保険と収入保障保険の保障の形

 

ただ、収入保障保険で減少しているのは、定期保険で無駄になる部分の保障です。
子供の成長に合わせて、必要な死亡保障というのは少なくなっていきます。
収入保障保険では、その分の保障をなくしているわけです。

 

そのため、定期保険に比べて保障額自体は少なくなりますが、しっかりと必要な保障は確保できます。

収入保障保険で重要なのは「最低保証期間」

収入保障保険で重要ながら見落とされがちなのが「最低保証期間」です。
最低保証期間とは、保険期間終了間近で被保険者に万が一のことがあった場合に、最低限保険金の支払いを約束する期間です。

 

例えば、最低保証期間5年の、60歳満了の収入保障保険に加入し、59歳の時点で被保険者が死亡した場合を考えます。

 

最低保証期間のない収入保障保険の場合

最低保証期間がない場合、59歳の時点で被保険者が死亡すると、
59歳から60歳までの1年間しか保険金は支給されません。

≪最低保証期間のない収入保障保険の場合≫

 

最低保証期間のない収入保障保険の場合の例

 

最低保証期間がある収入保障保険の場合

最低保証期間が5年ある場合、59歳の時点で被保険者が死亡すると、
59歳から64歳までの5年間保険金が支給されます。

≪最低保証期間がある収入保障保険の場合≫

 

最低保証期間がある収入保障保険の場合

 

この制度は、いわば保険期間後半の割高感を緩和する制度です。
最低保証期間があることで、万一、保険期間終了間際に保険金が支払われることになっても、一定額は必ず保険金を受け取ることができるようになります。
(もちろん、保険金を受け取るような事態が発生しないことが一番ですが。)

 

ほぼすべての保険会社でこの最低保証期間がありますが、その期間は保険会社ごとに異なります。
2年と5年を設けている保険会社が多いですが、中には1年や10年もあります。
そのため、最低保証期間は、加入の際にはしっかり検討すべきです。

収入保障保険は無駄を省いたスリムな保険

配偶者と子供のイメージ

以上が、収入保障保険の仕組みです。

 

収入保障保険は、子どもの成長などによる必要保障額の減少を盛り込み、なおかつ、通常の定期保険よりも安く死亡保障が確保できる理にかなった保険です。

 

収入保障保険は、定期保険の無駄を省いた、スリムな保険です。
仕組みがいまいち分かりにくく、まだまだ浸透率は低いですが、これからの主流になる保険ではないかと思います。

 



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