定期死亡保険の見直し方と選び方

定期死亡保険を放置してはいけない!

家族のイメージ

定期死亡保険は、解約時の返戻金がなく、保険期間も限られている代わりに、終身死亡保険と比べて月々の保険料が安い死亡保険です。

 

そのため、子供が社会人になるまで等の一定期間、大きな保証を確保する際によく利用されています。
この定期死亡保険は、加入されている方も多いことと思います。

 

でも、この定期死亡保険、加入してそのままの状態になっていませんか??

 

定期死亡保険は、子供が社会人になるまで等の保障額を考えてみると、実は結構無駄がある保険なんです。
そのため、そうした無駄を見直すことで、定期死亡保険はもっともっと安くなります。

 

以下では、そうした定期死亡保険の無駄を省く見直し方や選び方について説明します。

 

定期死亡保険で備えている「死亡保障」とは何なのか!?

何のための「死亡保障」なのかを考えてみよう

定期死亡保険の無駄な部分を考えるためには、定期死亡保険で備えている
「死亡保障」
が一体どういったものかを考えることが重要です。

 

そこで、定期死亡保険で最も多いであろう加入例で考えてみます。

 

死亡保障の最たる例とは?

定期死亡保険で備える「死亡保障」の最たるものは、子供の生活保障です。
「自分に万一のことがあった場合に、子供が社会に出るまでの金額を確保する」
それが、死亡保障の歳たる保障例といえます。

 

そして、定期死亡保険に加入する際には、子供が社会人になるまで一体いくら保障が必要なのかを考えるはずです。
ここで、子供が22歳になるまでにかかる費用を算出してみます。

≪子供を22歳まで育てるのに必要となるお金≫

 

子供の年齢 1年間の必要保障額 期間の合計保障額
0〜2歳 843,225円 1,686,450円
2〜6歳 1,216,547円 4,866,188円
6〜12歳 1,153,541円 6,921,246円
12〜15歳 1,555,567円 4,666,701円
15〜18歳 843,464円 2,530,392円
大学1年(公立) 1,267,800円 1,267,800円
大学2〜4年(公立) 985,800円 2,957,400円
合計 24,896,177円

【参考】
0〜15歳 内閣府『平成21年インターネットによる子育て費用に関する調査
15〜18歳 文部科学省『平成22年度子どもの学習費調査
大学1〜4年 文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
※15歳〜大学4年までは、12〜15歳の食費と同等の45万円を、毎年加えています。

 

以上のとおり、子供を22歳まで育てるためには約2,500万円ものお金が必要となります。

 

この結果は、あくまで公立の高校と大学に進学した場合で計算しています。
そのため、私立に通うこととなった場合には更にお金がかかることとなります。

 

子供のために必要な保障額は毎年減っていく!!

以上の結果、0歳から子供を22歳まで育てる場合には、2500万円程度かかることが分かりました。

 

 

よし、じゃあ、それを踏まえて万一の保障をするために、死亡保険金2,500万円の定期死亡保険に入るか…


 

というのはちょっと待ってください!!

 

ここで、2,500万円を死亡保険金とする定期死亡保険に入ってしまうと、保険の無駄が発生してしまいます。

 

学費などの子供にかかるお金というのは、子供の成長とともに少なくなっていきます!
そのため、必要な死亡保険金額も毎年少なくなっていくんです。

 

必要なお金が少なくなるのは何故?

子供のために必要となるお金が減っていくのは、過ぎた分のお金が必要なくなるからです。
例えば、子供が中学生になれば、小学校分の教育費は必要なくなります。

 

このように、年々必要なお金が減っていくため、子供のために必要なお金が少なくなっていくのです。

 

子供のために必要となるお金の推移を見てみよう

上で挙げた年齢ごとの必要なお金を基に、22歳までに必要となる総保障額をまとめると次のようになります。

≪子供の年齢毎の必要保障額の変遷≫

 

子供の年齢 必要保障額
0歳 24,896,177円
1歳 24,052,952円
2歳 23,209,727円
3歳 21,993,180円
4歳 20,766,633円
5歳 19,560,086円
6歳 18,343,539円
7歳 17,189,998円
子供の年齢 必要保障額
8歳 16,036,457円
9歳 14,882,916円
10歳 13,729,375円
11歳 12,575,834円
12歳 11,422,293円
13歳 9,866,726円
14歳 8,311,159円
15歳 6,755,592円
子供の年齢 必要保障額
16歳 5,912,128円
17歳 5,068,664円
18歳 4,225,200円
19歳 2,957,400円
20歳 1,971,600円
21歳 985,800円
22歳 0円

 

 

以上のように、子供の年齢毎に必要な保障額は減少していきます。
これをグラフにすると次のようになります。

子供の年齢毎の必要保障額の推移

 

このグラフのように、子供のために必要な保障額は右肩下がりで減っていきます。
そのため、本当に2,500万円の死亡保障が必要になるのは、子供が0歳の時だけなんです。

 

0歳以後は、子供の成長に伴い

  • 6歳の時は約1,800万円
  • 12歳の時は約1,100万円
  • 15歳の時は約680万円
  • 18歳の時は約420万円
  • 20歳の時は約200万円
  • 22歳の時は0円(これはちょっと極端かもしれませんが)

というように、必要な保障額はどんどん減っていきます。

 

すなわち、ずーっと2,500万円の死亡保障を持っていても、子供の成長とともに必要保障額との差額がどんどん無駄になっていくわけです。

 

そうした無駄な部分を省くことができれば、定期死亡保険が非常にスリムになります。
具体的には、以下のようにすることができれば無駄をかなり省くことができます。

≪必要保障額の減額を考慮した死亡保障の形≫

必要保障額の減少を考慮した保障額

 

もし、そんな保険があれば、定期死亡保険からの見直しは非常に有効です。

 

では、そんな都合の良い保険があるのかというと、実はあるんです!

定期死亡保険の無駄を省ける近年人気の保険の仕組みとは!?

定期死亡保険の無駄を省ける保険の正体

上で述べた定期死亡保険の無駄を省いた保険とは、

 

「収入保障保険」です!

 

収入保障保険は、比較的新しいタイプの定期保険です。
無駄を省いたスリムな保険という事で、人気が高まってきています。

 

以降は、収入保障保険について説明します。

 

収入保障保険とは
収入保障保険の仕組み

収入保障保険とは、被保険者が亡くなった場合に、保険金受取人に対して、満期まで毎月一定額の死亡保険金が支払われる保険です。

 

もう少し噛み砕いて言うと、夫が収入保障保険に加入していた場合、夫が亡くなった際に、契約期間の間、妻に対して毎月給与のようにお金が支払われる保険です。

 

定期死亡保険との違い

収入保障保険が定期死亡保険と異なるのは、
「毎月一定額の死亡保険金が支払われる」
という点です。

 

定期死亡保険では、一括で死亡保険金を受け取ります。
そのため、被保険者がいつ亡くなっても死亡保険金の額は一定です。

 

しかし、収入保障保険は、毎月分割で保険金を受け取る仕組みのため、被保険者が亡くなったタイミングにより受け取る死亡保険金の総額が変わります。

 

死亡保険金総額の減少例

例として、30歳〜60歳までを保険期間とする収入保障保険に加入したとします。
一月あたりのの死亡保険金を10万円に設定したとすると、死亡保険金額の総額は単純計算で以下のようになります。

  • 30歳時点:3,600万円
  • 40歳時点:2,400万円
  • 50歳時点:1,200万円
  • 55歳時点: 600万円

これを図にしてみると、次のようになります。

≪収入保障保険の死亡保険金総額の推移≫

 

収入保障保険の死亡保険金総額の推移

 

そして、これを定期死亡保険の死亡保障額と比較すると、次のようになります。

定期保険と収入保障保険の保障額の違い

 

以上のように、収入保障保険は、定期死亡保険から必要保障額の逓減分を差し引いた保険となっています。
保障後半になるにつれ、総保障額は少なくなります。

 

さて、収入保障保険のこの形ですが、何かに良く似ています。
もうお分かりかと思いますが、上で登場した「必要保障額の減少を考慮した死亡保障の形」にそっくりです。

 

そのため、収入保障保険は、定期死亡保険の無駄を省いた理想的な形の保険である訳です。

 

実際のところ保険料はどうなのか

 

無駄を省いたのは良いけれど、実のところ見直すとどのくらいお得なのか分からないと、わざわざ見直すのもなあ…。


 

収入保障保険が理想的な保険であることは分かりましたが、確かに実際、定期死亡保険から収入保障保険へ見直すことでどのくらいお得にいなるのかが分からなければ意味がないですよね。

 

収入保障保険は、定期死亡保険と比べて、保障後半での死亡保険金がかなり少なくなっています。
(上の例だと、満期の5年前で死亡保険金の差は3,000万円です。)

 

そのため、収入保障保険は、定期死亡保険よりかなり保険料が安くなっています。

 

では、実際どの程度安くなっているのか、次の項目では、収入保障保険と定期死亡保険の保険料を比較します。

収入保障保険と定期死亡保険の保険料を比較してみよう!

収入保障保険と定期死亡保険の保険料の比較

収入保障保険は総保障額が保険期間の後半で少なくなっていきます。
そのため、満期まで保障額が一定である定期死亡保険に比べて月々の保険料は割安になっています。

 

では、実際にどの程度保険料が違うのかを比較してみたいと思います。
比較に用いるのは、オリックス生命の 定期死亡保険「Fine Save」収入保障保険「Keep」です。

 

比較条件

比較するための条件は以下のとおりです。

  • 性別 : 男性
  • 加入 : 30歳
  • 満期 : 60歳
  • 総保障金額 : 3,600万円(収入保障保険は、毎月10万円を30年間=3,600万円)

 

各保険の保険料
定期死亡保険「Fine Save」の保険料

オリックス生命「Fine Save」のロゴ
保険料 月9,396円

 

収入保障保険「keep」の保険料

オリックス生命「keep」のロゴ
保険料 月2,960円

 

毎月と保険期間全体での保険料の差額

以上のとおり、保険料にはだいぶ違いが出ました。
この差を、毎月と保険期間全体で見るとかなり大きな金額となります。

 

≪定期死亡保険と収入保障保険の保険料差額≫

 

≪毎月の保険料の差額≫
9,396円 − 2,960円 = 6,436円

 

≪保険期間全体の保険料の差額≫
6,436円 × 12か月 × 30年 = 2,316,960円

 

総保障額で同じ金額を保障しているのに、保険期間全体では支払う保険料に約231万円も差が出ます。

 

安いからと言って保障が足りないわけじゃない

以上のように、定期死亡保険と収入保障保険では、保険期間全体で約230万円もの差が出ることになります。
あまりにも保険料が違うので、何か保障の不足があるのではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、収入保障保険が安いからと言っても、保障面で何ら不足はありません。
収入保障保険は、子供の成長に合わせて必要な死亡保障を無駄なく確保できています。
こうした点からも、収入保障保険が、いかに理想的な保険かがお分かりいただけるかと思います。

収入保障保険の中でも比較して見直すことが大切です!

収入保障保険は何歳で加入しても結構安い

以上、定期死亡保険からの収入保障保険への見直しのすすめでした。
見直すことで、230万円近い保険料の支払いを削減することができます。

 

上の例は、30歳時点での加入で比較しましたが、更に上の年齢での加入でも保険料は安いです。
例えば、オリックス生命の収入保障保険「Keep」に40歳で60歳満期で加入した場合、毎月の保険料は3,420円です。

 

このように、収入保障保険は、必要保障額の減少により、年をとってからの加入でもかなり安価です。
定期死亡保険に加入してそのまま放置している方は、ぜひ見直しを検討してみてください!

 

収入保障保険も比較しましょう!

さて、そんな素晴らしい収入保障保険ですが、加入の際には収入保障保険同士でも比較してみることが大切です。
例えば、収入保障保険同士でも保険料は結構違うものです。

 

【比較条件】

  • 年齢性別:30歳男性
  • 払込期間:60歳満了
  • 保険金額:毎月10万円
保険商品 オリックス生命「keep」のロゴ
オリックス生命
Keep
富士生命「収入保障保険」のロゴ
AIG富士生命
収入保障保険
三井住友海上あいおい生命「収入保障保険」のロゴ
三井住友海上あいおい
&LIFE 収入保障
毎月の保険料 2,960円 3,800円 3,54円

 

このように、収入保障保険同士でも結構保険料は変わってきます。
そのため、比較して加入することが重要になるわけです。

 



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