がんになったのに保険金が支払われないことがある!?
保険金がもらえない?
「がんになったのに保険金がもらえなかった」
こんな話を聞いたことがあるかもしれません。
せっかくがん保険にはいっていても、いざがんになった際に受け取ることができなければ意味がありません。
最近のがん保険は、がんと診断された際に一時金が支払われるものが多いです。
その保険金額は100〜300万円程度に設定されており、治療全般に幅広く用いることができます。
がんと診断された際、金銭面の不安があるのとないのとでは、状況が大きく異なります。
そんな際、いざ保険金を受け取ろうと思ったのに、受け取ることができなかったら、その影響はかなり大きいです。
では、なぜそんなことが起きるのでしょうか。
それは、がんの種類が原因となっています。
がんは2種類存在する
がん保険の一時金額が受け取れなかったり少なかったりするのは、がんの種類が2種類存在することが理由です。
その2種類それぞれに、別々の保険金額が設定されていることがあります。
そのため、思ったより保険金がもらえなかった、という事態が発生するのです。
その2種類のがん保険とは、次の2つです。
- 上皮内新生物
- 悪性新生物
上皮内新生物とは
上皮内新生物とは、いわゆる「初期のがん」です。
発生したがんが、基底膜と呼ばれる層を超えずに、上皮内でとどまっている状態です。
図で見てみると次のようながんのことを言います。
≪上皮内新生物≫
基底膜を超えると粘膜層がありますが、そこには
- 血管
- リンパ管
といった器官があります。
がんが転移する場合には、これらを経由して全身に広がります。
しかし、上皮内新生物の場合、それらが存在する層に達していないため、転移の可能性がほぼないとされています。
また、手術などで切除することでほぼ100%完治するとされています。
悪性新生物とは
悪性新生物とは、いわゆる「がん」です。
発生したがんが、基底膜を超え、粘膜にまで到達している状態です。
図で見てみると、次のようながんのことを言います。
≪悪性新生物≫
悪性新生物の場合、粘膜層にまでがんが広がっているため、転移の可能性があります。
一般的に「がん」と言った場合にあてはまるものがこちらになります。
なお、がんの中でも、各部位ごとの特徴等については、がん研究センターのがん情報サービスに、詳しく記載されています。
「上皮内新生物」と「悪性新生物」で支払われる保険金が違う場合がある!
給付条件をよく見てみると…
がんには上記の2種類が存在しますが、がん保険によっては
- 上皮内新生物
- 悪性新生物
を給付条件の上で分けているものがあります。
より軽いがんである「上皮内新生物」の方が、保険金額が少なく設定されていることがあります。
上皮内新生物と悪性新生物で保険金額が変わる可能性があるのは、おおむね次の2つの保障です。
- 診断時一時金
- 入院給付金
診断時一時金
診断時一時金とは、がんと診断された際、まとまったお金が支払われる保障です。
「診断」が条件となっているものや、入院開始が条件となっているものなど、、微妙に異なります。
しかし、最も多いのが「がんと診断された際」に保険金が支払われるものです。
この診断一時金は上皮内新生物と悪性新生物で、保険金額が大きく変わる場合があります。
よくある例としては次のようになっています。
- 悪性新生物:100万円
- 上皮内新生物:10万円
このように、上皮内新生物の場合、保険金額が1/10になる場合があります。
また、そこまでは行かなくとも、悪性新生物の半分(今回の例では50万円)となっている場合もあります。
入院給付金
入院給付金とは、がんを原因として入院した際、1日当たり10,000円程度の保険金額が支払われる保障です。
近年では、通院治療が増えてきており、以前よりは重要度が落ちてはいますが、それでも重要な保障の1つです。
入院給付金では、上皮内新生物と悪性新生物で金額が変わるわけではありません。
そもそも対象が悪性新生物のみとなっている場合があります。
つまり、上皮内新生物では、入院給付金が支払われない場合があるのです。
上皮内新生物であっても、手術などを受ける際には短期間の入院をすることがあります。
その際、入院給付金が受け取れないことになってしまいます。
全てのがん保険がそうであるというわけではありませんが…
加入前にはしっかり確認を
「上皮内新生物」と「悪性新生物」の区別ですが、全てのがん保険で行われているわけではありません。
どちらの場合でも、同じ保険金額が支払われるがん保険も存在します。
そのため、加入前にはそのがん保険が、2つのがんをどのように扱っているかをしっかりと確認することが大切です。
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