子供の将来を考えると保険の備えは大切です
子供のためにはどんな保険が必要?
現在、来年小学生になる5歳の子供を一人で育てています。
生活が決して楽ではないので、保険には入らずに過ごしてきましたが、何か保険に入っておいた方が良いのでしょうか。
子供の将来の学費とかは、私の万が一の場合に備えてしっかりと確保しておきたいです。
子供の将来のために最低限の保障は備えておきたい
子供を一人で育てる、いわゆる「シングルマザー」や「シングルファザー」の方の場合、保険のことを考える余裕はあまりないかもしれません。
しかし、配偶者がいない場合、自分に万が一のことがあれば、子供の将来が本当に大きな不安が残ります。
そのため、最低限、社会人になるまでの保障は確保しておきたいです。
ただ、やはり闇雲に保険に入っておけば良いというわけではありません。
そのため、最低限、必要な範囲で、無駄なく子供の将来に備えられる保険を考えていきます。
なお、以下では「シングルマザー」と「シングルファザー」を総称して、「シングルマザー」と表記します。
シングルマザーが備えておきたい保障はこちら
必要な保障は「子供の将来」と「自分」のための保障
シングルマザーの方の場合、考えておきたい保障は大きく分けて2つあります。
1つ目は、最も大切な「子供のための保障」です。
自分に万が一の言葉有った場合に、子供が社会人になり、自立できるまでの保障は確保しておきたいです。
また、最低限自分が入院することになった場合の治療費の保障も考えておきたいです。
2つ目は、「自分(シングルマザー)のための保障」です。
もし自分が病気等で働けなくなった場合のための保障です。
こちらも、最終的には子供のための保障であるとも言えます。
それぞれ具体的にどんな保障が必要かを見てみよう
では、まずは「子供のための保障」と「自分のための保障」が具体的にどんな保障であるかを考えていきます。
子供のための保障
まず、子供の将来のためにはどういった備えが必要でしょうか。
考えられるのは以下の3つです。
- 大学の入学金
- 親が万一の場合の生活費
- 中学1年生から大学卒業までの学費
自分のための保障
続いて、自分のための保障です。
こちらは、次の保障が考えられます。
- 自分の入院保障
以上4つを組み合わせて考える
以上の4つはそれぞれ独立しているようにも見えます。
しかし、実際に必要となる保険に当てはめていくと、それぞれが組み合わさってきます。
そのため、上で挙げた4つを組み合わせて、次の3つのくくりで説明していきます。
説明する順番は以下のとおりです。
- 「大学の入学金」への備え
- 「自分の入院保障」への備え
- 「生活費」と「大学卒業までの学費」への備え
必要な保障その1 大学の入学金に備えるためには
大学の入学金は積立保険で確実に積み立てておきましょう
まず、大学の入学金への備えを考えていきます。
子供を大学まで進ませる予定が未定でも、これはできれば備えておきたいお金です。
いざ、子供が高校を卒業する際、自分の進路を選択できるための備えは必要です。
そのため、子供の選択肢を広げる、という意味でも備えておきたいです。
大学の入学金はいくらくらい必要?
大学入学時に必要になるお金を「入学金」と呼んでいますが、実際にはその中でさらに細かく分けられます。
その内訳は、
- 入学料
- 初年度授業料
- 施設設備費
です。
以上3つの金額は、国公立と私立で大きく異なってきます。
それぞれを見てみると、概ね以下のような金額になります。
大学種別の入学金
大学区分 | 入学料 | 授業料 | 施設設備費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
国立大 | 535,800円 | 282,000円 | 有無は大学による | 817,800円 |
私立文系 | 742,478円 | 246,749円 | 160,019円 | 1,149,246円 |
私立理系 | 1,043,212円 | 265,595円 | 187,236円 | 1,496,044円 |
【出典】国立大:文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第2条』
【出典】私立大:文部科学省『平成25年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金』(リンク先PDF)
このように、入学金は約82万円〜150万円程度となりました。
(国立大に合格するのが「親孝行」と言われるのが良くわかる金額ですね。)
上記をふまえると、入学金として150万円くらいは備えておきたいです。
入学金を確保するには学資保険を活用
以上の、大学入学金に備えるには、貯蓄性のある保険が向いています。
中でも、最も適しているのが「学資保険」です。
学資保険には次のような特徴があります。
- 満期に積立金+金利分を満期金として受け取ることができる
- 親の死亡時には保険料の払い込みが免除となり、満期金は受け取ることができる
- 積み立て時の金利が銀行の定期預金よりも良い
なお、それぞれを銀行預金と比較した詳しい説明については以下のページに記載があります。
学資保険は必要?いらない?銀行の定期預金と徹底比較!
具体的に保険料はいくらくらい?
子供が18歳時点で、150万円がたまるように学資保険に加入すると、保険料はこのくらいになります。
(35歳女性が5歳の子供の学資保険を150万円積み立てる場合)
保険会社 保険商品 |
ソニー生命 学資保険U型 |
---|---|
月額保険料 | 9,450円 |
上記の金額を支払っていくことで、18歳時点で150万円の学資保険を確保することができます。
また、親に万が一のことがあった場合は、その後の保険料不要で、満期時に満期金を受け取ることができます。
できれば早いうちに加入をしておきましょう
学資保険は、できることなら子供が生まれてうぐに加入しておきたいです。
先ほどの例で、子供の年齢が0歳だとすると毎月の保険料は6,360円になります。
より毎月の負担が少なく、大学の入学金を貯めることができるようになります。
そのため、学資保険の加入はできるだけ早めにしておきたいです。
必要な保障その2 親自身の病気への保障も最低限は確保
自分自身(親)の病気への備えも非常に大切
次に考えたいのは、親自身の病気への備えです。
入院時の保障が全くないのでは、自分が入院してしまったら生活が立ち行かなくなります。
親の入院時の保障として加入しておきたいのは
「県民共済」
です。
県民共済を選ぶ理由としては次の3つがあります。
- 保険料が月2,000円と安い
- 400万円の死亡保障もついている
- 入院時の保障としては十分(入院1日目から124日目まで保障)
以上から、シングルマザーの親の入院時の保障としては県民共済がおすすめです。
県民共済ではなく保険会社の医療保険でも良いのでは?
入院時の保障を考えるのであれば、県民共済ではなく生命保険会社の医療保険でも良いのではないかという疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、当サイトでは、医療保険は県民共済ではなく保険会社の医療保険を選ぶことをおすすめしています。
県民共済と医療保険どっちに入るべき?
別ページで当サイトが医療保険をおすすめしている理由は、県民共済の保障が85歳で終了してしまい、老後の保障としては物足りないためです。
しかし、今回は事情が異なります。
県民共済をおすすめするのは「子供の保障が第一」だから
今回県民共済をすすめる理由は、子供のための保障の確保を一番の目的としているためです。
そのため、親の保障は最低限で考えています。
老後の保障はまた別途考えるということで、今回はあえて保障を小さくしています。
子供の生活保障として死亡保障が必要
また、県民共済には死亡時の保障があります。
生命保険会社の医療保険には、特約でつけない限り死亡時の保障はありません。
親の死亡時に保険金が支払われれば、万一の際、子供の生活費や学費に充てることができます。
通常、入院時の保障と死亡時の保障は、別々の保険で備えるべきです。
しかし、今回はあくまで最低限の保障をということで、2,000円という県民共済の格安の保険料で、400万円の死亡保障を確保することを最優先しています。
以上の理由から、シングルマザーの親の病気への備えとしては、県民共済が最適です。
必要な保障その3 子供の生活費と大学卒業までの学費を確保する
子供の生活費と大学卒業までの学費はいくら必要になる?
最後に考えるのは、子供が社会人になるまでの生活費と学費です。
以下では、まず、生活費と学費がどのくらい必要になってくるかを考えます。
生活費はいくら必要?
1人暮らしに必要な生活費を考えるにあたり、大学生の生活費を参考にします。
大学生の生活費(学費除く)は、最も高額となるアパート暮らしの場合で年間1,095,000円となっています。
【出典】:(独)日本学生支援機構『平成24年度学生生活調査について』
上記の金額は、月額にすると1か月91,250円です。
子供の生活費としては、この金額をもとに1月の生活費を考えます。
ここで、生活費を考える場合に重要なのが
「遺族基礎年金」
です。
遺族基礎年金とは?
遺族基礎年金は、国民年金加入者が亡くなった場合に、遺族に対して支払われる生活保障としての年金です。
親が、子一人を残して亡くなった場合、子に対して年間788,000円の遺族基礎年金が支払われます。
上記の金額は、月額になおすと1か月約65,667円です。
ただし、支払われる期間は子が18歳になるまでです。
そのため、遺族年金は子供が18歳になるまでの生活費として考えることができます。
なお、遺族年金について更に詳しくは別ページでまとめています。
遺族年金の基礎知識〜遺族基礎年金、遺族厚生年金〜
遺族年金を差し引くと生活費として必要なのは…
以上のことから、子供が6歳の時点から大学卒業までに生活費として必要となる金額は次のとおりです。
(91,250円 - 65,667円) × 12か月 × 12年 …18歳までの期間
+91,250円 × 12カ月 × 4年 …大学4年間
= 8,083,952円 …22歳までの生活費
このように生活費としては、概ね810万円程度必要となります。
学費はいくら必要?
次に、学費がいくら必要となるかを見ていきます。
学費については、小学校〜高校までは公立に進んだものとして、授業料以外の費用を考えます。
大学については、最も割安な国立の大学に進んだ場合を考えます。
小学校〜高校までの授業料以外の学費
文部科学省の調査によると、公立の小学校〜高校での授業料以外に必要となる年間の学費は次のとおりとなっています。
- 小学校 : 305,807円
- 中学校 : 450,340円
- 高校 : 386,439円
【出典】:文部科学省 『平成24年度 子供の学習費調査』
なお、上記の内訳は、
- 私費の教材購入費
- 修学旅行費
- 給食費
- クラブ活動費
- 通学費
等の、授業料以外のお金となっています。
国立大学での授業料
国立大学の授業料は文部科学省令によって決められています。
その金額は、年間で535,800円です。
【出典】:文部科学省 『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第2条』
合計すると学費として必要なのは…
以上の金額を合計してみると、小学校〜大学卒業までに必要な学費が見えてきます。
- 小学校 : 305,807円 × 6年間 = 1,834,842円…@
- 中学校 : 450,340円 × 3年間 = 1,351,020円…A
- 高校 : 386,439円 × 3年間 = 1,159,317円…B
- 大学 : 535,800円 × 4年間 = 2,143,200円…C
@ + A + B + C = 6,488,379円
このように、大学卒業までの学費としては約650万円必要になります。
また、この金額はあくまですべて公立学校へ進学した場合です。
私立学校になってくると、更に必要となってきます。
生活費と学費確保のためにどんな保険を選べば良いか
ここまで紹介した金額を合計することで、子供の大学卒業までに必要な生活費と学費を確保するための金額が導き出せます。
生活費約810万円 + 学費約650万円 = 1,460万円
が必要となります。
子供が大学を卒業するまでの学費と生活費として、最低限1,460万円備えておく必要があります。
ただし、親が死亡した場合には、前述の県民共済から400万円の死亡保険金が出ます。
そのため、その分は差し引いて考えることができます。
1,460万円 − 400万円(死亡保険金) = 1,060万円
この、残った1,060万円分を備えておく必要があります。
1,060万円を確保するにはどうすればよい?
この1,060万円に備えるには、収入保障保険を使うのが最適です。
収入保障保険を使うことで、安く合理的に保障を確保することができます。
収入保障保険とは?
収入保障保険とは、加入者が死亡した際に、満期まで遺族に毎月お給料のように一定額が支払われる保険です。
支払われる保険金総額は満期に向けて徐々に減少していきます。
そのため、死亡保険でありながら、かなり割安に死亡保障を確保することができます。
収入保障保険について更に詳しくは、別ページにまとめてありますのでご参照ください。
実際に保険料がいくらになるかを見てみよう
こうした収入保障保険で死亡保障を確保するのが、近年多くなってきております。
では、実際に死亡保障を確保した場合に、保険料がいくらになるのかを考えてみます。
試算するにあたっては次の条件で計算しています。
- 年齢性別:35歳女性
- 保険期間:20年間
- 死亡保険額:総額1,200万円(月5万円)
この条件だと、毎月の保険料はこのくらいになります。
保険会社 保険商品 |
AIG富士生命 さいふにやさしい収入保障 |
---|---|
月額保険料 | 1,425円 |
このように、わずかに1,425円の保険料で、1,060万円以上の死亡保障に備えることができます。
仮に、さらに手厚く、総額2,400万円(毎月10万円)で備えたとしても、保険料は1,920円と格安です。
家庭にあわせて必要な保障を探す方法
必要な保障を得るための保険料総額とは
説明が長くなってしまいましたが、以上が子供のためにシングルマザーの方が備えておきたい保険です。
ここで、もう一度、3つの保険の保険料を確認してみます。
- 学資保険 : 9,450円
- 県民共済 : 2,000円
- 収入保障保険 : 1,425円
3つの保険を合わせると合計12,875円となりました。
この金額は、子供が5歳時点で学資保険加入を考えているため、少し高くなっています。
子供が生まれてすぐに学資保険に加入すれば、保険料総額は9,785円になります。
以上3つの保険に入っておけば、親に万が一のことがあっても、子供のための次のお金が残せます。
- 大学の入学金
- 自分の入院保障
- 生活費
- 中学1年生から大学卒業までの学費
これらのお金に備えることができれば、安心感が少しは増すはずです。
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