個人年金保険にはどんなデメリットがあるのか?
メリットの多い個人年金保険にもデメリットがある
個人年金保険は、公的年金だけでは不足する老後の生活費として役に立つものです。
現役世代から毎月保険料を積み立て、老後にそれを取り崩して受け取ります。
個人年金保険は、現役世代のうちに支払っている間もメリットがあります。
年末調整や確定申告により、所得税と住民税の節税効果があります。
そのため、ぜひ加入しておきたいものです。
個人年金保険のデメリットとは?
ただし、非常に優れている個人年金保険にもデメリットがあります。
そのデメリットとは、インフレリスクのことです。
インフレリスクはお金を積み立てるタイプの金融商品には必ずついてくるリスクです。
ただ、個人年金保険は他の金融商品よりも影響を受けやすくなります。
インフレリスクとは何なのか、また何故、個人年金保険が影響を受けるのか説明します。
また、そのデメリットをふまえた上で、個人年金保険に加入すべきなのかも紹介します。
インフレリスクとは?リンゴを例に分かりやすく説明します。
インフレリスクって言葉は聞いたことあるけど…
「インフレリスク」という言葉は、聞いたことがあるけどイマイチ分かり辛いものです。
同様に
- インフレ
- デフレ
という単語も分かりづらいですよね。
そこで、まず「インフレ」と「デフレ」について説明します。
そして、何故インフレが個人年金保険にとってリスクとなりえるのか説明します。
インフレとは?リンゴを例に紹介します
インフレとは、物の値段が高くなり、それにより相対的にお金の価値が落ちることです。
と、この説明だけだと分かりづらいと思うので、具体例で説明します。
リンゴを例にインフレを考えてみよう
八百屋さんで、リンゴ4個が100円で売られていたとします。
この場合、100円にはリンゴ4個分の価値があることになります。
値上げされる
それがある日を境に値上げされてしまい、リンゴ4個で400円になってしまいました。
(ちょっと極端な値上げですが…。)
この場合、値上げ後に100円で買うことができるのはリンゴ1個です。
値上げ前100円にはリンゴ4個分の価値がありましたが、値上げ後にはそれが1個になってしまいました。
これが、物の価値(リンゴの価値)が高くなり、相対的にお金の価値(100円の価値)が落ちる=インフレです。
この現象がリンゴだけにとどまらず、世の中の様々な物で起こり、お金の価値が落ちるのがインフレです。
デフレとは?
デフレとは、物の値段が低くなり、それにより相対的にお金の価値が高くなることです。
インフレとは真逆の現象となります。
こちらも、リンゴを例に具体的に説明します。
リンゴを例にデフレを考えてみよう
先程、インフレ時にリンゴ4個が400円で売られるようになりました。
繰り返しとなりますが、この場合100円にはリンゴ1個分の価値があることになります。
値下げされる
ただ、この値上げにより全くリンゴが売れなくなり、八百屋さんは値下げを行います。
リンゴ4個で200円にしました。
この場合、値下げ後に100円で買うことができるのはリンゴ2個です。
値下げ前に100円にはリンゴ1個分の価値がありましたが、値下げ後にはそれが2個になりました。
これが、物の価値(リンゴの価値)が低くなり、相対的にお金の価値(100円の価値)が高くなる=デフレです。
デフレはお得に見えるが…
一見、デフレは物が安くなって良いことのように思えますが、そうでもありません。
社会全体がこの状態になると、消費者はこのように考えるようになります。
今買わないでもう少し待っていたら、
もっと値段が下がるんじゃないかな?
その結果買い控えが起こります。
買い控えが起こると、巡り巡って次のような悪循環が生まれてしまいます。
物が売れない → 企業の収益が落ち給料が下がる → 物が売れない → 企業の収益が落ち給料が下がる → …
これは、デフレスパイラルと呼ばれ、景気の後退局面でよく見られる現象です。
このように、必ずしもデフレは良い状態であるとは言えません。
インフレだと何故個人年金保険は問題になるのか?
個人年金保険で問題になるのはインフレ
ここまで「インフレ」と「デフレ」について説明してきましたが、個人年金保険で問題になるのはインフレの場合です。
理由は、個人年金保険の仕組みにあります。
個人年金保険は、加入時に設定した目標額までお金を貯め、それを将来取り崩して受取ります。
将来受け取るお金(個人年金)の総額は常に一定です。
積み立てたお金は、インフレになろうがデフレになろうがその金額自体は変わりません。
1,000万円を積み立てていれば、インフレでもデフレでも1,000万円には違いありません。
インフレになると年金額の価値が下がる
しかし、インフレになってしまっていると、加入当初よりもお金の価値が下がってしまうことになります。
同じ1,000万円でも買える物は少ないことになるのです。
もし将来、お金の価値が下がってしまうと、積み立てていた個人年金保険の価値も下がってしまうのです。
これが、個人年金保険の弱点ともいえるデメリットです。
個人年金だけの問題じゃない
ただ、このインフレリスクは貯蓄型の金融商品には必ずついてまわる問題です。
そのため、個人年金だけに限らず、銀行の定期預金等でも同じではあります。
定期預金は流動性がある
ただ、銀行の定期預金は、個人年金保険よりも流動性があります。
定期預金の場合、個人年金保険とは違い、ある程度自分の好きな時に解約してお金を使うことができます。
インフレリスクを避けることができる外貨建ての保険や、外貨預金にお金を振り返ることができます。
(ただし、外貨の場合は、為替相場の変動による為替リスクがついてきます。)
こうした点から、定期預金の方が、個人年金保険よりは若干インフレリスクには強いとも言えます。
ただ、まったく影響を受けないわけではありません。
過去20年で日本はどのくらいインフレになっているのか?
過去20年のインフレ率の推移を見てみよう
将来、インフレになっているのかデフレになっているのかというのは、その時になってみないと分かりません。
ただ、過去のデータを参考にすると、ある程度の予測が立てられます。
そこで、過去20年の消費者物価指数(インフレ率)の推移を見てみたいと思います。
以下は、1994年の物価を1とした場合の20年間の物価の推移です。
過去20年間の消費者物価指数の推移
【出典】総務省統計局『消費者物価指数(CPI)結果』
グラフの見方を説明します。
2014年を例にとってグラフの見方を説明します。
上記のグラフで、2014年の指数は0.991となっています。
これは、1994年の物価に対して、2014年の物価は0.991倍になっていると言う意味です。
そのため、1994年に100円で買えたものの価値が2014年には99.1円になっているというように考えます。
1994年に100円で買えたものが、2014年には99.1円で買えるので、物の価値が下落しています。
それはすなわち、若干ではありますがお金の価値が高くなっており、インフレになっているといえます。
(本当にわずかな値ではありますが。)
インフレにもデフレにもなっていない?
グラフを見ていただくと分かるのですが、途中途中で若干の増減はありますが、消費者物価はほぼ変わっていません。
つまり、この20年間ではお金の価値がほとんど変わっていないのです。
この点を見ていくと、今後もそこまで大きな物価の変動は想定されないのではないかと考えられます。
そのため、個人年金保険においても、インフレリスクを心配し過ぎる必要はないでしょう。
将来のお金のことは一度専門家にしっかりと相談しておくと安心です
老後の不安を少しでも減らすために
以上が、個人年金保険を含む、積立式の商品に存在するインフレリスクについてでした。
ここ20年のインフレの推移を見る限り、年金額が大きく目減りしてしまうほどのインフレはさほど想定されないといえます。
そのため、インフレリスクを踏まえたうえでも、個人年金保険にはぜひ入っておきたいです。
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まず、そちらを見ていただくことで、いまどのような個人年金保険が良いのかが分かっていただけるはずです。
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