個人年金保険にかかる税金とは

個人年金保険には税金がかかる!

個人年金保険受給者

公的年金に加えて、自分の老後のための個人年金保険が昨今特に注目されています。

個人年金保険については、当サイトでも紹介しています。
個人年金保険とは

 

意外と盲点となっているようですが、個人年金保険は受け取る際に税金が課税されます。
ただし、その課税のされ方については、

  • 支払人と受取人の異同
  • 年間の受取額

によって、税の種類や税率が変わってきます。

 

以下では、

  • 支払人と受取人が同じ場合
  • 支払人と受取人が異なる場合

に分けて紹介します。

個人年金保険にかかる税金とは

支払人と受取人が同じ場合

個人年金保険の支払人(積立人)と受取人が同じ場合には、受け取る個人年金は「雑所得」となり所得税の課税対象となります。
課税対象となるのは、個人年金額から必要経費を差し引いた「所得」の部分です。
課税対象の算出式

 

経費については以下のように計算します。
 経費 = 受取年金額 × 払込保険料額 / 総受取年金額

 

では、以下のような例で具体的に計算してみます。
経費の算出例

 

この場合、経費は50万円となり、雑所得は

受取年金額60万円 − 経費50万円 = 雑所得 10万円

となります。

 

この10万円が課税対象となりますが、個人年金では雑所得額が25万円を超えた場合に所得税の課税対象となります。
そのため、今回のように雑所得額が10万円である場合には所得税は課税されません。

 

なお、実際には雑所得額が25万円を超える場合には、保険会社が所得税分として10%を源泉徴収して支払われる場合がほとんどです。
そのため、雑所得額として年25万円を超える場合には、手取り額は満額の90%となります。

 

所得税率改正の影響を受ける

所得税が課税されるため、当然ながら所得税率に改正があると、税額はその影響を受けます。
実際、平成25年からは「復興特別所得税」の影響で、支払う所得税額がやや増額となっています。
生命保険にも関係してくる「復興特別所得税」とは

 

以上が、支払人と受取人が同じ場合における個人年金保険に係る税金についてです。

 

支払人と受取人が異なる場合

支払人と受取人が異なる場合には、贈与税と所得税が課税されます。
個人年金が贈与とみなされるわけですね。

 

贈与税

贈与税の場合は、年金の初回受取時に全期間分の贈与税が課税されることとなり、毎年課税されるわけではありません。
計算方法は複雑なので今回は割愛しますが、概ね上の例(毎年60万円を10年間)で、贈与税額は70万円くらいになります。
納税のためには確定申告が必要となりますので、その際には税務署に相談してみてください。

 

所得税

以前は受け取る個人年金全額に対して所得税も課税されていました。
しかし、それについては以前から二重課税ではないかとの指摘がなされていました。

 

その後、最高裁判所での判決(生保年金二重訴訟事件(最判平22.7.26))を受けて、受取年金額のうち、自分で積み立てた分については所得税が課税されないこととなりました。
しかし、受取年金額のうち、運用益によって年金額として上乗せされる分については、所得税が課税されます。
そのため、非常に微々たる金額ではありますが、所得税も課税されます。

 

以上から、個人年金保険の支払人と受取人が異なる場合には、贈与税と所得税が課税されることとなります。

まとめ

税と戦う人

以上のように、個人年金保険については、支払人と受取人の関係により課税される税金が異なります。
贈与税は非常に金額が大きいため、納税する際の負担は大きいです。

 

そのため、個人年金保険を契約する際には、支払人と受取人は同一にしておいた方が良いでしょう。
せっかく自分や家族の老後を養うために契約していたのに、そのうちの1割近くが税金となってしまってはなんだか悲しいですよね…。

 

 



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