大学進学に合わせて保険に入る必要はある?
大学進学する子どもの保険はどうすれば良い?
今度、子供が大学に進学します。
親元を離れて生活するので何かと不安なんですが、保険には何か入れておいた方が良いんでしょうか。
今までは学資保険に入っていましたが、高校卒業で満期を迎えてしまいます。
子供の保険のことは結構盲点
子供が大学などに進学する際に、保険のことで悩む親御さんは多いです。
というのも、上記の例の様に
- 子供が親元を離れる
- 学資保険が満期を迎える
と言ったタイミングが重なり、保険が全くない状態となってしまうことがあるからです。
では、18歳になり、進学する子どもに何らかの保険は必要なのでしょうか。
また、もし必要であるとすればどのような選択肢があるのでしょうか。
以下で分かりやすく紹介します。
そもそも大学進学時に保険が必要なのか
高校を卒業した年齢での入院・外来患者数
大学生になる子供のための保険を考える前に、そもそも保険に入る必要があるのかどうかということを考えてみます。
厚生労働省の調査で、年齢別の入院・外来患者数の統計があります。
その統計によると、高校卒業から社会人になるころまでの入院・外来患者数は次のようになっています。
(参考までにもう少し小さい年齢から掲載します。)
年齢階級別の年間入院・外来患者数
入院患者数 | 外来患者数※ | |
---|---|---|
5〜9歳 | 4,900人 | 182,700人 |
10〜14歳 | 5,300人 | 119,700人 |
15〜19歳 | 7,000人 | 91,600人 |
20〜24歳 | 10,200人 | 104,800人 |
※歯科外来は除く
【出典】厚生労働省『平成26年(2014)患者調査の概況』
多い?少ない?
上記の数字は、
- 複数の年齢をまとめた年齢階級別
- 1年間
の入院患者数と外来患者数となっています。
そのため、各年齢別の正確な数字が分かるわけではありませんが、傾向はつかむことができます。
この数字を見て、入院患者と外来患者が多いと感じたでしょうか?
それとも少ないと感じたでしょうか?
私個人としては、多くはないが少ないとも言い切れないと感じました。
(間を取ったような意見ですみません…。)
大きな保障は必要ないが最低限の保障はあっても良い
これまでの件数を見て考えると、大学生になる子供への保険は無くても安心とは言い切れません。
小学生の子供や、10代前半の子供に比べれば、入院患者数は多くなっています。
とはいえ、やはりまだまだ若いため、統計全体で見ると入院患者数は少ないといえます。
そこで、あくまで家計の負担にならない程度の最低限の保険に入っておくのが良いでしょう。
特に、子供が親元を離れる場合には、安心材料の1つにもなります。
死亡保障は必要ない
ここで、「保障」と言っても、必要なのは入院に備えるための医療保障です。
死亡時に備える死亡保障は必要ありません。
なぜ死亡保障が必要ないかと言うと、死亡保障はあくまで残された遺族の生活保障であるからです。
極端な言い方をしてしまえば、
- 一家の稼ぎ頭が亡くなった場合
- 子供が亡くなった場合
の2つの場合では、前者は遺族の生活に金銭的な大きな影響が出ますが、後者の場合は金銭的な問題はあまり生じません。
(あくまで、金銭的な側面のみで考えた場合です。)
そのため、子供の保険を考える場合には、死亡保障ではなく、医療保障を中心に考えることが大切です。
よって、今回は、大学生になる子供に合う、最低限の医療保障のことを考えていきます。
保障が大きすぎない最低限の保険でおすすめは?
大学生の方にお勧めなのは「学生総合共済」
ここからは、具体的におすすめの保険を紹介します。
これまで説明したように、最低限であり大きすぎない保障ということで最もおすすめなのは、
大学生協の「学生総合共済」です。
こちらの学生総合共済は、保険料が年額12,800円と安いですが、保障内容はかなり充実しています。
(月額ベースだと、1,067円です。)
主な保障内容は次のとおりとなっています。
学生総合共済の主な保障内容
保障名 | 保障対象 | 保障額 |
---|---|---|
入院保障 | 病気、事故、ケガ | 1日10,000円 |
手術保障 | 病気、事故、ケガ | 1回50,000円 |
通院保障 | 事故、ケガ | 1日2,000円 |
後遺障害保障 | 病気、事故、ケガ | 24〜600万円 |
固定器具使用保障 | 事故、ケガ | 2日で2,000円 |
本人の死亡保障 | 病気、不慮の事故、その他 | 100〜200万円 |
父母、扶養者の死亡保障 | 事故、その他 | 20〜500万円 |
【出典】大学生協『生命共済AF』
生協がある大学ならこれが良い
ここまで保障内容が充実していて、年間12,800円(毎月1,067円)で良いというのはかなり割安です。
また、「父母、扶養者の死亡保障」が付いているという点が大学生向けであるといえます。
扶養者に万一のことがあった場合、それが理由で退学を余儀なくされるケースがあります。
しかし、この保障があればその事態が防げる可能性が高くなります。
そのため、子供が生協がある大学に通う場合には、この保険に入っておけば必要な保障は十分に確保できます。
大学に生協がない場合は「都道府県民共済」
上記は、大学に生協がある場合のおすすめでした。
もし、大学に生協がない場合には、都道府県民共済(以下、県民共済)が良いでしょう。
県民共済は、安い保険として広く知られています。
こちらも共済であり、非常に安い掛金で保障が得られます。
県民共済の場合は、医療保障を求める場合に加入するコースの選択肢が大きく2つあります。
それぞれ微妙に保障内容が異なり、次のようになっています。
(以下では、都民共済の保障内容を例として掲載します。)
都民共済の保障内容の例
保障名 | 保障対象 | 保障額 | |
---|---|---|---|
総合保障1型 | 入院保障2型 | ||
入院保障 | 病気、事故 | 1日2,500円 | 1日10,000円 |
手術保障 | 共済の定める手術 | 無し | 1回2.5、5、10万円 |
先進医療保障 | 共済の基準による | 無し | 1〜150万円 |
通院保障 | 事故 | 1日750円 | 1日1,500円 |
後遺障害保障 | 事故 | 8〜330万円 | 無し |
死亡・重度障害保障 | 病気、事故 | 200〜500万円 | 10万円 |
月掛金額 | 1,000円 | 2,000円 |
扶養者の死亡保障は付いていない
県民共済の場合には、生協の学生総合共済のような、扶養者の死亡保障がありません。
そのため、親が無保険状態の場合、親に万一の際には子供の生活に不安が残ります。
とはいえ、親が何らかの死亡保険に入っている場合には、扶養者の死亡保障は付いていなくても、そこまで心配はいりません。
扶養者の死亡保障が付いていなくて最も危険なのは、親が
- 死亡保険に入っていない
- 当面生活できる分の貯蓄がない
場合です。
このような場合には、親自身が死亡保障のある保険に入る等の対策が必要です。
総合共済型か入院共済型か
県民共済の場合、総合共済型か入院共済型かで迷うところです。
掛金は1,000円の違いがあります。
この場合、私が選ぶとすれば総合共済1型を選びます。
理由は、あくまで最低限の保障で良いからです。
仮に入院や通院をしたとしても、基本的には国民健康保険が使えます。
そのため自己負担は3割であり、医療費の全てを県民共済でカバーするわけではありません。
そう考えると、あくまでも必要最低限の保障であればよく、掛金の安い総合共済1型で十分であるといえます。
卒業後に社会人になったら必要な保険の見直しが必要
卒業後には保険のことを考え直そう
ここまでご紹介した通り、子供が大学進学をする場合には、最低限の保障を備えておけば良いです。
その選択肢としては、
- 学生総合共済
- 都道府県民共済
を用いると、無駄なく保障を確保することができます。
ただ、これらの保障はあくまで大学在学中に限った上での最適な選択肢と言えます。
卒業後、社会時になってからを考えると、これらの保障だけでは不安が残ります。
無理のない範囲で早めに、一生涯の終身医療保険等への検討を行いたいです。
親自身の保険見直しを考えるのにも良いタイミング
ここまでは子供の保険のことを考えてきましたが、子供の大学進学は親自身の保険を見直すにも良いタイミングであると言えます。
もし、子供が生まれたころに加入した、保障額の大きな死亡保険があれば、もう少し保障額の小さいものに見直すことができます。
何故、死亡保障額を下げることができるのかと言うと、子供が小さい頃よりも、子供のために備えておくべきお金が少なくなっているからです。
子供の年齢ごとに代わる必要な死亡保障額
子供のための保障で考えると、次の2つでは、備えるべき金額に違いがあります。
- 子供が0歳の時:0歳〜社会に出るまでの生活保障
- 子供が18歳の時:18歳〜社会に出るまでの生活保障
上記2つを比べると、後者の方が必要な保障が少なく言ことが分かります。
そのため、死亡保険の見直しが可能なのです。
特に、死亡保険に加入してから一度も見直しをしていない場合には、無駄な保険料の削減に大きな効果が期待できます。
より深く生命保険を知るのにおすすめのコンテンツ