保険の特約は入るべき?
保険に入るときに特約は付けるべき?
今、保険の加入を検討してます。
でも、特約が色々ありすぎて何を付ければ良いのか迷っています。
入るべき特約はどんなのがあるんでしょうか?
契約時に特約の有無で悩むことが多い
保険商品には、メインの保障となる「主契約」の他に、それ以外にも保障を付けることができる「特約」があります。
特約にはさまざまなものがあり、うまく活用することで保障の幅を広げることができます。
しかし、反対に必要のない特約をたくさんつけてしまうと無駄に保険料を多く支払うことになってしまいます。
そのために、どれを付けるのか加入時に迷う方が多いです。
以下では、一般的によくある特約を挙げ、その内容を説明するとともに、どの特約に入るべきかを考えます。
よくある特約の例を紹介します
代表的な特約を見てみよう
保険商品については、保険会社各社が様々な特約を出しています。
その種類を上げれば10種類以上となりますが、一般的に良くある特約というものは決まっています。
そのため、そうしたよくある特約について把握しておけば、保険を選ぶ際に困りません。
以下で主に良くある特約について特徴を説明します。
先進医療特約
先進医療特約とは、厚生労働大臣が指定した高度な医療技術を用いた療養の治療費を保障する特約です。
先進医療は、保険適用外であり全額自己負担です。
しかも、先進医療は非常に高額となります。
例えば、がん治療に用いる重粒子線治療は300万円近くかかります。
他にも、多く実施されている先進医療には次のようなものがあります。
主な先進医療の治療費と年間実施件数
先進医療技術 | 平均技術料 | 年間実施件数 |
---|---|---|
重粒子線治療 | 304万円 | 1,286件 |
陽子線治療 | 259万円 | 2,170件 |
活性化自己リンパ球移入療法 | 139万円 | 25件 |
樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いた がんワクチン療法 |
89万円 | 80件 |
水晶体再建術 | 51万円 | 5,248件 |
腹腔鏡下子宮体がん根治手術 | 52万円 | 289件 |
子宮腺筋症核出術 | 30万円 | 149件 |
うつ症状の鑑別診断補助 | 1万円 | 1,959件 |
【出典】厚生労働省『平成25年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について』(リンク先PDF)
先進医療特約は、こうした治療費を保障する特約として、医療保険系のほぼすべての保険商品に付加できる特約です。
この特約を付けることで、
- 1回あたり:先進医療治療費の実費分
- 保険期間全体:500〜2,000万円
まで保障されるようになります。
特約料が安い
この先進医療特約は、保障される金額が高額なので特約料も高そうに思えます。
しかし、特約料は非常に安く、概ね100〜200円程度です。
三大疾病特約
三大疾病特約は最近の医療保険で増えている特約です。
以下の3つの疾病が三大疾病とされており、罹患したと診断された際に保障が受けられます。
- がん(悪性新生物)
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中(脳血管疾患)
受けられる保障は主に
- 一時金が支払われるもの
- 入院日額保障の日数が無制限になるもの
- 入院日額保障の保障額が増額されるもの
等に分かれます。
なお、一時金が支払われる特約については、一時金が支払われれば特約自体は消滅することが多いです。
また、最近では三大疾病特約が特約ではなく主契約の保障内容に含まれている医療保険も登場しています。
そのため、ニーズが高まっている保障内容であるといえます。
介護特約
介護特約とは、被保険者が要介護状態になった場合に、一時金が支払われるものです。
介護保険には、健康保険組合等が保障する公的介護保険もあります。
こちらの特約は、公的介護保険ではカバーしきれない金銭的負担を軽減するものです。
要介護状態の判断方法
要介護状態の判断には、
- 厚生労働省の公的介護保険の基準を使うもの
- 保険会社独自の基準によるもの
の2つがあります。
ただ、公的介護保険の基準を使うものが圧倒的に多いです。
お祝い金特約
お祝い金特約とは、保険加入後3〜5年に一度程度、数万円の一時金が支払われる特約です。
自分へのお祝い金という感じの内容です。
名称は「お祝い金」となっていますが、これは自分で支払った特約料をお祝い金として後から受け取っているものです。
そのため、保険会社がお祝い金を支払っているのではなく、自分で自分にお祝い金を支払っています。
また、定期死亡保険で保険を使わなかったことによる「生存祝い金」というものもあります。
これは、満期までに保険の使用がなかった場合に、一時金が支払われるものです。
ただし、この特約を付けると保険料が結構跳ね上がります。
通院治療特約
通院治療特約は、近年、がん保険や医療保険で増えている特約です。
特に、がん保険での設定が多いです。
通院治療特約は、がん治療が入院よりも通院で治療することが多くなったことで登場しました。
がん治療のために通院して治療した場合、その通院1日につき保険金が支払われます。
「通院」の定義がポイント
この特約のポイントは「通院」の定義です。
各保険会社の通院保障特約では、同じ「通院」でも以下の3つの場合が存在します。
- 入院を伴わない通院
- 入院前後の通院
- 入院後の通院
これらの中では、1が最も保障範囲が広く、その次が2で最も保障範囲が狭いのが3となります。
そのため、通院保障を重視する場合には「入院を伴わない通院」も保障してくれるものを選ぶことが重要になります。
抗がん剤治療特約・放射線治療特約
「抗がん剤治療特約」・「放射線治療特約」とは、がんになった後の抗がん剤治療や放射線治療にかかる費用を保障する特約です。
抗がん剤治療や放射線治療は、治療費が自費になることもあるため、それにかかる費用が保障されます。
また、治療を受けた際に一時金として保険金が支払われる場合もあります。
この一時金では、治療に要する通院費等を補うために支払われるものです。
こちらの特約も、通院保障特約と同じくここ数年増えてきた特約です。
収入保障特約
収入保障特約とは、この特約が付いた保険に入っている被保険者が死亡した場合に、保険期間の満期まで遺族が毎月お金を受け取ることができる特約です。
主に、医療保険に特約で付けられる場合があります。
この特約は、収入保障保険を特約で付加するタイプのものです。
ズバリ本当に必要な特約は?
最も付加しておきたい特約は「先進医療特約」
各種特約の中で特に入るべきなのは
先進医療特約
です。
先進医療特約は、特約料も100円〜200円と安いため付加しても負担にはなりません。
また、実際に治療を受けることになった際の費用負担を考えると、付加することによる効果が高いと言えます。
実際には使う可能性は低い?
先進医療特約は、実際には使われる可能性は低い特約であると言われています。
そのため、加入しなくても良いと言う方もいます。
ですが、それを言ったら保険に加入する意味がなくなってしまいます。
不確実であるものに備えるために加入するのが保険です。
また保険料自体もかなり安いためさほど負担にもなりません。
そのため、先進医療特約は特に付加しておきたい特約です。
先進医療保障の重複に注意
先進医療特約で注意しておきたいのは、すでに入っている保険との重複です。
例えば、A社の医療保険で先進医療特約を付けている場合に、その後にA社のがん保険での先進医療特約を付けたとしても、保険期間全体で受けられる保障の限度額は2件の合計額ではなく1件分のみとなります。
そのため、すでに加入している保険会社の別保険に入る場合には、先進医療特約が重複しないように気を付ける必要があります。
なお、別々の保険会社の複数の保険に入る場合には、重複していても問題ありません。
次に付加するべき特約は「通院治療特約」
次に、付加しておきたいのは
通院治療特約
です。
これは、通院で治療を受けた際に1回当たりで保障が受けられるものでした。
現在、がん治療では入院日数がどんどん短くなっています。
そしてその代わりに、通院で治療をするようにになっています。
そのため、今後は、がん治療をする際には通院による治療が重要となります。
その分、通院にかかる治療費も今より膨らんでいきます。
そこで、そうした膨らんでいく治療費を保障するために、今後重要性を増していく特約だと言えます。
その他の特約については・・・?
その他の特約については、特に入る必要はないとえいます。
というのも、当たり前ですが、特約を付けるとその分月々の保険料は上がります。
特に、「お祝い金」系の特約料は高いです。
また、付加してみても実際には使われない特約というものもあります。
先進医療特約のように、いざという時に本当に必要で、かつ保険料が安いものは付加しておいた結果使われなくても問題はないと言えます。
ただし、だからといって特約をあれもこれもと付加するのは良くありません。
使わない特約は保険会社へのプレゼントになる
使われない特約は、そのまま保険会社の収入となります。
あまり多くの特約を付けても、たくさんの保険料を保険会社にプレゼントしているだけになります。
そのため、特約は本当に必要な最小限のものだけに入るべきです。
そして、それについては「先進医療特約」が最優先で、次点で「通院治療特約」です。
特約選びで迷った際には、上記を思い出していただき、今検討している特約が本当に必要なのかどうかを良く考えてみてくださいね。
より深く生命保険を知るのにおすすめのコンテンツ