生命保険の「支払い猶予期間制度」を利用したお得な見直し方法
生命保険の保険料を支払い忘れた場合の救済制度として、
支払い猶予期間制度
というものがあります。
支払い猶予期間制度とは、その期間内に支払い忘れた保険料を支払うことで、保険の失効を免れることができる制度です。
しかし、ただそれだけではありません。
その制度を利用することで、保険の見直し時に、無駄な保険料の支払いを1か月分減らすことができます。
「わずか1か月分を節約って…」
と思われてしまいそうな話ではありますが、知っていて損はないと思います。
その方法について説明します。
そもそも「支払い猶予期間」とはどんな制度で、どのくらいの期間なのか
支払い猶予期間は、保険失効の防止期間
「支払い猶予期間制度」とは、保険料の支払いを忘れても、その猶予期間内に支払うことで、保険の失効を免れることができる制度です。
いわば、保険料の払い忘れによる失効の防止期間と言えます。
「口座のお金が足りなくて、うっかり保険料を支払い忘れてしまった。」
そういったことによって、それまでずっと支払ってきた保険がうっかり失効してしまうのを防いでくれます。
ずっと払込んできた保険が、一度の支払い忘れで失効したらたまりませんよね。
支払い猶予期間はどのくらい?
では、実際に、猶予期間はどのくらいの期間なのかが重要になってきます。
支払い猶予期間は、ほとんど全ての生命保険会社で翌月末日となっています。
例 : 日本生命相互保険会社の場合
つまり、保険料を払い忘れた場合でも、払い忘れた月の翌月末までに2か月分の保険料を払い込めば、保険の失効を免れることができるわけです。
ただし、反対に、2か月連続で保険料を払い忘れると、保険は失効してしまうことになります。
以上の関係を図で示すと以下のようになります。
≪「支払い猶予期間制度」と保険の失効との関係≫
支払い猶予制度をうまく使うとちょっとだけ得ができる
実は、この制度、保険料の失効防止という機能のほかに、ちょっとお得に使う方法があります。
なんと、この制度をうまく使うことで、保険を見直す際に、保険料の支払を1回分減らすことができます。
保険の見直し時に保険料の支払いを減らす具体的な方法
支払い猶予制度の上手な活用法とは?
保険料の「支払い猶予期間制度」を利用することで、保険の見直し時に保険料の支払を1回分減らす方法ですが、次のように行います。
なお、説明の際は、解約前後の保険について以下の定義で説明していきます。
- 古い保険:見直し前の解約する保険
- 新しい保険:見直し後の保険
「支払い猶予期間制度」を利用した保険料の支払いを1回分減らす方法
では、説明していきます。
古い保険の引き落としを止める
まず、加入したい新しい保険が決定したら、新しい保険に加入する前の月に、古い保険の保険料引き落としが行われないようにします。
(引き落とし口座にお金を入れておかないなど。)
そして、古い保険の保険料引き落としが行われなった翌月の初日に、新しい保険の責任開始日を設定します。
責任開始日とは
「責任開始日」とは、保険会社が被保険者(契約者)に対して、保険の保障を開始する義務が発生する日です。
保険会社にこの義務が発生するためには、以下の要件が整えさえすれば良く、たとえ保険の契約が成立する前であっても、この要件が整えば保険会社には保障開始の義務が発生することとなります。
≪責任開始日の要件≫
- 保険の加入申込書
- 医師の診断結果(又は健康状態の告知書)
- 第1回目分の保険料※
以上3点が揃った時点が「責任開始日」となる。
※保険料は翌月分を前払いするため、第1回目分の保険料は、「責任開始日」の翌月分の保険料となります。
責任開始日を設定した後は、新しい保険の契約成立を待つ
責任開始日を設定したら、新しい保険の保障が開始されます。
そして、その状態になったら、新しい保険の契約が正式に成立するのを待ちます。
新しい保険の申込書を提出してから、概ね2週間程度で新しい保険の契約が成立します。
新しい保険契約が正式に成立したら、古い保険を解約します。
そうすることで、本来必要であった古い保険の解約月分の保険料(上に書いた、一度支払いをしなかった分)を支払わなくて済みます。
そのため、保険料を1か月分減らすことができる訳です。
今までの流れを図で紹介すると以下のような感じです。
≪保険料の支払いを1回分減らす方法の図解≫
保険の解約と新規契約のタイミングは専門家に相談するのが安心で確実
一番大切なことは保険がなくなってしまわないようにすること
以上が、「支払い猶予期間制度」を活用した保険料を1回分減らす方法です。
この方法を使うことで、保険料を節約しながら新しい保険へと乗り換えることができます。
この方法が役に立つのは、ただ単に保険料を節約できるというだけではありません。
新しい保険に見直す際に、古い保険を早々に解約してしまうことで、保険が全くない状態になってしまう場合があります。
こうした「支払い猶予期間制度」のことを知っていると、そうした保険がなくなってしまう危険を回避することができます。
保険の新規契約と解約にあたっては専門家に相談した方が安全
なお、保険の解約や見直しの時期については、無料保険相談会社のFP(ファイナンシャルプランナー)さんがにしっかりと相談するのが安全で確実です。
保険見直しの際には、保険のこと全般を総合的にアドバイスをしてくれます。
実際に、私も新しい保険に見直す際には、LIFULL保険相談という無料保険相談会社のFPさんに相談しました。
私が相談したFPさんは、新しい保険の契約成立を待ってから、古い保険を解約するようにするということを、ちゃんと分かりやすく説明してくれました。
保険解約に際して不安がある場合には、一人だけで実行せずにFPや家族に相談してから行うようにしてみてくださいね。
より深く生命保険を知るのにおすすめのコンテンツ
保険料の支払い猶予期間を利用して見直し時の保険料を節約!関連ページ
- 保険見直しの際の古い保険の解約時期には要注意!
- 保険見直しを検討し、いざ新しい保険に加入する際、古い保険の解約には十分に注意が必要です。
うっかり、早々に解約してしまうと「保険がなくなる」という非常に困った事態が待っているかもしれません…。
その理由と、防止する方法を紹介します。 - 新規保険加入時に保険料を1か月分節約する方法!
- 保険に新しく加入するにあたっては、1か月の保険料を先に支払う必要があります。
でも実は、保険に加入する時期によっては、支払う保険料を1か月分節約することができるのです。
新しく保険に入る際に保険料をお得にする方法を紹介します! - 家計節約のための効果的な生命保険の見直し方
- 家計や生活費を節約するために見直すべきものの1つとして生命保険があります。
見直しによっては、最大で毎月数万円の節約になる場合があります。
見直しの際に注意したい3つのポイントと、より簡単で間違いのない見直し方法を紹介します。